代理店の外におけるクリエイターという生き方 その4
代理店の外でクリエイターとして働くメリット・デメリットを自分なりに書いてみるコラム。第4回(最終回)です。
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感覚をアップデートし、オジさんボケを防止できる
「3.ジェットコースターのように飽きない毎日が過ごせる」から派生して、得られるメリット。
要するに社内の若い子たちに混じってワチャワチャできる(強制的にやらざるを得ない)ことによる感覚のボケを防止できる効果です。
過去数社、広告代理店で勤めましたが、社員の年齢層は僕の知る限り、今の会社よりも遙かに高かったです。計算したわけではもちろんないですが、平均年齢35-45歳だった印象ですね。そしてプラットフォームのユーザー年齢も、同じく自分と比較して若いため、やはり今時の感覚についていく必要があります。
ちなみにプラットフォームにおいて最もボケ防止になると思われるのは、実際にユーザーに混じって動画を投稿することです。しかし、40歳を超えている僕のようなオジさんがウキウキで動画を投稿しまくるのも如何なものかと思って、投稿はたまにしかしてません。
それよりも、ひたすら動画を観まくり、何が流行るツボなのか、単発ではなく全体を通してどういうトレンドが来ているのかを考えます。いえ、考えるというよりも、感じ取るといったほうが近いかもしれません。
そんな頭の体操ならぬ、感覚の体操をすることで、若いユーザーの感覚を少しでも自分の企画に取り入れ、オジさんボケを防止することができます。
ただし、常に年下の方々から謙虚に教えを請うという姿勢が大事です。偉そうにふんぞり返っても、何も得られるものはないからです。
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自分次第で仕事の領域を決められる
最後のメリットです。これは僕が勤めるプラットフォームに限らず、クリエイティブチームを社内に新しく持とうとする組織全般にあたると思っています。
そういう組織は何を目的にクリエイターという一般のビジネスパーソンからすると若干よく分からない人たちを採用するのか。もちろん理由は色々あると思いますが、共通してあるのは「アイデアのチカラで全く新しい価値をもたらすこと」なのではないかと思います。
右脳も駆使したソリューションで、これまでの左脳的アプローチでは作れなかった成果を社内・社外にもたらしたい。そんな期待を込めて採用されたクリエイターは、いくらでも自分の仕事の領域を拡張することができます。
僕の場合、今年の四月からクリエイティブチーム以外に、2つ目のチームを組織内に作りました。「クリエイティブ・データチーム」と名付けた、クリエイティブ視点でデータと向き合うチームです。別に上司や他の誰かから頼まれたわけではありません。ただ自分が興味があったことと、会社にも需要がありそうだった。だから、上司に掛け合って素早くチームを編成することができました。「クリエイターは企画・制作をするのが唯一の仕事である」という固定観念がないため、これだけスムーズにことが進んだと思っています。
これから代理店を飛び出す方々には是非、クリエイターの仕事領域の拡張も視野にいれることをオススメします。「企画・制作・プラスα」の、αの部分がきっとあなたをオンリーワンな存在にしてくれるはずです。
以上が、僕の感じる代理店の外でクリエイターが働くメリット、そして人によってはデメリットとなりえる部分です。もしかすると読む方によっては不愉快に思われることもあったかもしれません。ただ、冒頭にお伝えしたように、本当に広告代理店以外のクリエイターの現況って情報が得にくいのです。だから、リレーコラムという貴重な機会を有効活用したく、思いつくままに書かせていただきました。(次にコラムが回ってくることは10年先か20年先か、もしくは二度とまわってこないことも考えられますので・・・)
そして、どの業界や会社にいようとも、皆様のクリエイターとしての生き方がさらに充実されることを祈っています。
最後にバトンを受け渡します。僕が新卒で入社した読売広告社時代の先輩にあたります。「僕、本当はコピーライターになりたいんですよー」とブツブツこぼしていたときに、優しく相手をしていただいた方です。
鶴田茂高さん、宜しくお願いします!
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